新築・中古購入の失敗例とは?

新品の新築住宅は、築年数が経過している中古住宅に比べると欠陥や劣化がないものと錯覚してしまいます。

しかし、新築だからと思って油断し、購入前のチェックやインスペクションを怠ると、購入後に大きなショックを受けてしまいかねません。

新築住宅も中古住宅も、購入前にインスペクションなどで住みにくさや劣化を調べておくことが大切です。

安心して長く住める家を手に入れるためにも、新築・新古住宅(中古住宅)で起きやすい失敗事例と対策を住宅購入前に知っておきましょう。

新築住宅や新古住宅の購入で失敗してしまう理由

建てたばかりの新築住宅や、見た目がきれいな中古住宅でも、購入後に「失敗した」と感じてしまうケースは少なくありません。

築年数が百年近く経過していて、なんらかの劣化が起きていてもおかしくない古民家ならいざ知らず、建てて間もない新築住宅や築数年が浅い新古住宅で、住んだ後に後悔する理由は何なのでしょうか?

新築住宅で失敗が起きる理由

何もない土地に新しく建てる新築住宅は、「建つまでどんな家になるかわからない」という点が醍醐味でもあり、失敗の原因を生むとも言えます。

新築は完成後のイメージが掴みにくい

新築住宅は設計図に描かれた図面を立体に起こして建てますので、完成するまでは足を踏み入れることも外観の雰囲気を掴むこともできません。

一方、既に完成している中古住宅は、内覧時に建物の中を自由に歩き回れますので、どこに問題があるか、自分たちのライフスタイルに適した建物かどうか等、ある程度予想した上で購入できるというメリットがあります。

実際に生活した時の使い勝手が予測できない

新築住宅は、建物が完成して人や家具が建物の中に入るまで、本当の使い心地はわかりません。

そのため、住んだ後に「もっと収納を増やせば良かった」「階段の位置を失敗した」などの後悔が出てしまいます。

売主が住んでいる中古住宅であれば、生活の様子を写真などできますので、家具が置かれた状態や収納に物が詰まった状態を見て「キッチンにもう少し収納がほしい」、「寝室にベッドが2台置ける」といった事前確認が可能です。

中古住宅で失敗が起きる理由

建物の劣化が激しい中古住宅では、誰しも「劣化がおきていてもおかしくない」と身構えながら慎重に物件情報をチェックするでしょう。

しかし、築年数の浅さや見た目の綺麗さを優先して中古住宅の内覧を行うと、購入時に油断を招くこともあります。

見た目や価格に惑わされて欠陥を見落としてしまう

中古住宅の物件情報をチェックする時は、外観や見た目の綺麗さではなく間取りの使い心地や設備系統の耐久性など、建物の内側までチェックする必要があります。

建物の見た目に惑わされて中古住宅を購入すると、購入後に「想定していた住み方ができない」「水漏れが起きた」などの失敗が起きてしまうでしょう。

インスペクションをおろそかにしてしまう

インスペクションとは住宅購入前の住宅検査のことで、住宅内部で起きている劣化や欠陥を、専門の点検員が床下や屋根裏までチェックしてくれます。

住宅購入前に構造の欠陥や発生している劣化などを確認できるため、中古住宅の購入時はインスペクションの実施が推奨されています。

「中古と言っても築年数が経っていないから、大した欠陥は起きていないだろう」

「こんなに綺麗なのに数万円のインスペクション費用を支払うのは勿体ない」

と、インスペクションを軽視してしまいがちです。

築年数に関係なく、中古住宅を購入するときは何らかの不満や不具合が必ず潜むものと考え、できるだけインスペクションを実施しておきましょう。

もちろん、インスペクションは新築住宅でも実施可能です。

新築・中古住宅の購入で多い失敗例

以下からは、新築住宅や中古住宅を購入した方から「失敗した」という声が挙がりやすい箇所をご紹介します。

生活に不便な間取り

間取りの問題は「洗面台が玄関から丸見えでお客さんに見えてしまう」といった、住宅購入後すぐに明らかになる問題もあれば、将来的に発生するものもあります。

例えば、将来的に足腰が弱って階段の昇り降りが辛くなれば、二階にある寝室までの移動が辛くなったり、高い位置にある収納に手が届かなくなったりすることもあるでしょう。

あるいはお子さんが成長して思春期になり、「階段がリビングの中にあるので、リビングを経由して親と顔を合わせなければ二階に行けない」といった問題が出てくるかもしれません。

また、間取りを考える時はスムーズな「動線」を確保することもポイントです。

「動線」とは建物内の人の動きのことですが、キッチンからリビングへの移動や、寝室からトイレへの移動などの際に動線が複雑だと、人や部屋で遮られて思うように生活できなくなってしまうでしょう。

漏水や漏電といった設備の不具合

水漏れや漏電といった設備の不具合は、新築住宅でも絶対に起きないとは限りません。

しっかり施工してもらったと思い込んでいても、住み始めて数カ月後に突然使えなくなることも十分起こり得ます。

設備系統の不具合は第三者のチェックが有効ですので、インスペクションの際に配線の施工状態をチェックしてもらいましょう。

収納スペースが少ない

住宅を購入して住み始めた後に最も生じやすい不満といえば、「収納不足」です。

単純に「家族の人数に対して収納スペースが足りない」という量の問題もあれば、「置こうとしていた収納家具が収納スペースに納まらない」といったサイズの問題も出てくるでしょう。

収納スペースは、手持ちの衣服や家電などがすべて収まるよう確保しておきたい所ですが、お子さんが大きくなった時の部活道やお稽古事の道具など、将来的に増える物も予測して計画すると良いでしょう。

門まわりや庭などのエクステリアで後悔

エクステリアは、家本体の内装や外観に比べると軽んじてしまいがちな部分です。

エクステリアの失敗例)

・植木が目隠しになると思って塀を作らなかったが、思ったより家の前を通る人が多く通行人と目が合ってしまう

・予算の都合で門を作らなかったが、家が寂しい見た目のように感じる

・小さな庭があるが、狭すぎて趣味にも洗濯スペースにも使えない

住宅を新築、または購入する時は、室内の住み心地だけでなく、家を出入りする時や外周を歩いた時の快適さも調べておくきましょう。

新築や中古でも100%理想の住宅になるとは限らない

どんなにこだわって時間をかけたとしても、100%完璧な家が手に入るとは限りません。

購入直後は満足していても、長年住み続けていれば何らかの不満が生じます。

失敗しないよう焦るほど見落としも増えてしまいますので、「不満や失敗はあって当然」と覚悟し、購入前の事前調査で可能な限り最小限の被害で済むよう留めることが大切です。

住宅を購入する時はできるだけインスペクションを実施しよう

住宅購入の失敗を防ぐ方法としては、建物のインスペクションが最も効果的です。

また、インスペクションを行うと、現時点の劣化や不具合だけでなく、将来必要になるリフォームの内容も分析してもらえます。

住宅購入後、引っ越しも終わって生活が落ち着いた頃に何らかのトラブルが発生すると資金的にも精神的にも大きな負担になりかねません。

住む前のインスペクションで将来起こる劣化を予測しておくと、万が一トラブルが起きても慌てずに済み、リフォーム費用の積立てなども計画しやすくなるでしょう。

おわりに

新築や中古住宅購入時の失敗例として挙がりやすい箇所は、購入前に特に慎重にチェックしておかなければなりません。

買う側であるご自身の感覚や、売る側である不動産会社のアドバイスだけでなく、第三者の視点で耐久性や住みやすさやを確認できるインスペクションを実施して、総合的に建物の住み心地や耐久性を判断しましょう。

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